護山文房具店 久保保彦さん┃姪浜に根を張り商店街と共に歩み続けてきた文房具店店主(後編)

前編では『護山文房具店』の成り立ちについて伺ってきました。後編では更に『護山文房具店』の歴史を深堀し、商店会での活動などについても伺っていきます。

ーそれではこれから後編となります。よろしくお願いします。

 

久保保彦さん(以下、『久保』):よろしくお願いします。

 

ー前編にて文房具店は苦境に立たされ、廃業に追い込まれるお店が沢山あると伺いました。そんな逆風の中で『護山文房具店』が今も生き残り4店舗ものお店を経営されているわけですが他の店舗との大きな違いは何だと思われますか?

 

久保:一番の大きな違いは、昔から文房具店を操業していたことから様々な学校との取引があり学校の指定店に指定されていたところだと思います。他の店と違って学校指定の上靴や体操着を取り扱えるのは大きかったです。これらのものは量販店では取り扱うことができないので専売品とも言え、それを求めてお客さんがくるので生き残ることが出来たと思います。

 

ーなるほど、昔から操業を続けたことで学校との信頼関係があったからこそ今もなお操業を続けられているわけですね。

 

久保:そうですね、品質の高いモノを適正な価格で販売することをずっとやって来ました。指定店になると品質のよくないもを売ることが出来ないんです。実直に商売を続けて来たからこそ今の形があると思っています。

 

 

 

(これまでの実績があるからこそ学校の指定を受けられている。)

ーありがとうございます。創業当時から姪浜に根を張りお店を運営してきたわけですが姪浜でお店をやっていて良かったと思う点は何ですか?

 

久保:姪浜っていうのは一つの商圏が出来上がっているんです。室見川より西側から今宿の山間の東側の人が買物のために姪浜に来るようになっている点は姪浜で商売をする利点だと思います。室見川を越えて、今宿の山間を越えて買物に行く事はあまりいないのでお客さんが離れないという特徴があると思います。

 

ーなるほど、姪浜にいけば確かになんでも揃いますもんね。逆に姪浜が抱える問題は何だと思いますか?

 

久保:姪浜は駅より南側は区画整理により綺麗になって栄えてきていますけど、その分駅より北側の旧唐津街道の活気がなくなっているのを何とかしたいです。

 

ー旧唐津街道周辺は本当に人通りが少ないですよね。

 

久保:今、商店街には物を販売するお店が非常に少なくなってしまいました。昔は魚屋に肉屋、八百屋などいろんなお店が沢山あって商店街に来ればなんでも揃いました。しかし大型店が周りに出来てお客さんがそっちに行ってしまいそれに伴ってどんどんお店が減っていきました。商店街はやっぱりデパートの様にいろんなお店が揃っていないと難しいと思います。商店街で色んな商品を手に入れることができて、デパートの様にすべてを完結できるようにならなければ商店街全体が活気を取り戻すことは難しいかと思います。

 

ーなるほど、商店街のお話が出ましたが久保さんは来年50周年を迎える姪浜中央商店会に設立当初から携わり会長や相談役の任に就いて商店街を盛り上げるために活動してきたと伺っています。

 

久保:その通りです。姪浜中央商店会は昭和47年(1972年)に設立されました。設立したのは私達より上の人たちで当時の私はまだまだ下っ端でした。

 

ー久保さんが下っ端って凄いですね。当時苦労したことかありますか?

 

久保:周りは自分より上の人ばっかりで、しかも自分で事業を興している社長さんばかりだったのでそれぞれ強い意志を持ってる人達だったので意見を統一することがすごく大変でした。昔、商店街にアーケードを作ろうっていう話が出たのですが意見がまとまらず話が頓挫したこともありました。

 

ー今と違って大変そうですね。

 

久保:そうですね、ただ商店会の活動に携わることで色んな社長さんの意見を聞くことが出来たのと商店会の動向を把握していろんな情報が得られるのは良かったです。商店会の活動で得た情報は事業運営でも非常に役に立ちました。

 

 

(久保さんを始め長年商店会の活動に尽力された方を労う会の様子。)

ーなるほど、商店街をもりあげるために活動することで久保さんにもいい影響を与えていたんですね。もし、これから姪浜で事業を始めようという方がいたらどのようなアドバイスをされますか?

 

久保:目先の事を考えずにしっかり根を降ろすために信用をしてもらえるような商いをしましょうですかね。物事の筋を通すってことはとても大事です。何かにつけて屁理屈ばっかり言っているようでは誰もついてきてくれません。

 

ー確かに口ではもっともらしい事ばっかり言って行動が伴っていない人にはついていこうとおもいませんもんね。

 

久保:逆に言うときちんと筋を通していれば多少失敗したとしたりしても人はついてきます。私の

座右の銘に『現処懸命』という言葉があります。これは私が作った造語になるんですが自分が何事にも一生懸命にやるという意味で作りました。やるべきことを真摯に向き合って実直に行動することが仕事をして行く上でとても大事だと私は思っています。

 

ー『現処懸命』すてきな言葉ですね。その実直さがこれまで事業を続けられてきた原動力になったんですね。

ー話は変わりますが久保さんが思う姪浜の魅力は何ですか?

 

久保:姪浜が地元の人たちはみんなはっきりサバサバした人が多くて、あまり他人の事に干渉してこない性格の人が多いのは良いですね。地理的な部分でいうとやっぱり寺社仏閣が沢山あるのは姪浜の魅力ですね。姪浜住吉神社や興徳寺なんかは外の人を連れていくにはいいと思います。

(旧唐津街道周辺には今なお多くの寺社仏閣が点在している。)

 ーありがとうございます。ここまで長い時間インタビューにお答えいただき有難うございました。最後にホームページを御覧の方に何か一言お願いします。

 

 

 

久保:姪浜は海も山も近く、寺社仏閣も豊富で地下鉄の駅も近いのでとても住みやすい街です。天神や中州などの市街地からも地下鉄で夜遅くにも帰って来れるしタクシーでもそんなにかからないので交通の便も非常にいい街です。是非姪浜へお越しください。 

護山文房具

久保 保彦さん

昭和45年の創業以来、姪浜を中心に福岡市西区内に文房具店『護山文房具』を経営。姪浜の数多くの商店が所属する『姪浜中央商店会』の立ち上げに携わり、会長や相談役といった役職を歴任し地域を盛り上げるために活動を続けて来た顔を持つ。

【護山文房具】

(姪浜本店)

住所:福岡県福岡市西区姪の浜2丁目14-4

TEL:092-881ー0044

定休日:日曜日 

 

(姪浜駅南店)

住所:福岡県福岡市西区姪浜駅南2丁目1-30

TEL:092-592-1755

 

定休日:日曜日

(九大学研都市店)

住所:福岡県福岡市西区徳永北10-1

TEL:092-407-1585

 

定休日:日曜日

(拾六町店)

住所:福岡県福岡市西区拾六町3丁目19

 

定休日:日曜日